2015年05月27日

片方の茶碗が温かい

今は、それなりに知られた存在になっている友人の話。

若い頃に陶芸家を志しaspire box mod
弟子にして欲しいと、師と仰ぐ人の門を叩いた。

工房ではなく奥座敷に招かれ、その師から二つの茶碗を見せられ、
そして、どちらかが人間国宝の作だと告げられた。

どちらも見るからによく出来た作で脫毛
若い自分には、とても言い当てることは出来ないと思った。
ただ、ただ環保袋
粗相(そそう) のないように、二つの茶碗をそれぞれ手に取り、
そっと、掌(たなごころ)の中に収めてみた。

その時、「はっ!」と気がついた。

片方の茶碗が温かい。

代わる代わる何度か持ち替えても、そうとしか思えなかった。

そして、師を見上げると、師は窯灼けの皮膚を緩め、優しく うなづいた。

それが、弟子としての合格の合図だった。


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Posted by iooi at 11:36 | Comments(0) | pad
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